ADHDの子供はみんなで育てる

ADHDの子供はみんなで育てる

ADHDの子供はみんなで育てる

プロフィール: Aさん、保育士

 

自分のクラスにADHDの男の子がいました。

 

園児なので、まだ幼く、自分の気持ちがコントロールしにくいようでした。トラブルがあったときなどは我慢ができず急に友だちを押してしまったり、叩いてしまったりすることが多々ありました。

 

また、クラスで行事に取り組んでいるときなどは、じっとできずに体を揺すったり、隣の友だちにちょっかいをかけるなどの行動が見られました。

 

一人ではクラス運営が厳しく、補助の保育士をつけることになりました。

 

中には、補助の保育士がつくということで、自分自身の保育力が足りないからだと思われるのが不快な方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その子にとって、自分自身にとって、頼れる人があるのならみんなで協力してADHDの子どもと関わっていくようにするのが一番の方法だと思います。

 

実際、補助の保育士が、その子の近くで援助し、どうなっていったのかを書こうと思います。

 

秋の音楽会の練習に取り組んでいるとき、その男の子から目を離してしまうと、楽器は壊してしまうし、奇声を発し雰囲気作りが全くできませんでした。補助の保育士がぴったりそばについて、見守りました。

 

監視をして、行動を止めるのではなく、楽器を激しく叩いてしまったときには、『優しい音が聴きたいな〜。難しいけれど鳴らせることできるかなぁ?』など、少しの課題をその子に与えるようにしました。

 

その子は『できるよ!』と、自慢げにやって見せてくれました。

 

保育士は『きれいな音だね。○○くんの心みたいだね。』とその子に優しく話しかけました。合奏中でも、補助の保育士と、その男の子が会話をすることを私はOKにしていました。そして、そのことは周りの子どもたちにも理解を得ていました。

 

一回、きれいな音が鳴らせたからといって、次回も落ち着いて音をならすことはできません。補助の課題が繰り返し繰り返し援助しました。補助の保育士の気力がなくなってきたときは、私と交代をする事もありました。それくらい、ADHDの子どものパワーはすごい強いです。なので、協力しあってみんなでその子の成長を援助していきました。

 

でも、一番つらいのはその子自身なのです。そして、保護者の方も苦労されていました。私たちは1年だけの担任ですが、その一年をムダに過ごさせないよう、本気でその子の力になれるよう関わっていきました。

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