兄のADHDを通して感じたこと
プロフィール： ここなさん、28歳女性、販売員
私の兄がADHDです。私には、兄が二人と、妹がいますが、次男がADHDです。産まれたときから、いっしょに過ごしているので、幼い頃は違和感を感じませんでした。
兄がまわりの人と違うな、と思ったのが小学校へ入学した頃です。私が小学校1年生のとき、兄は4年生でいました。兄の妹が私だとわかると、上級生たちからは、お前の兄貴はおかしい、キモい、と言われるようになりました。
兄は、感情のコントロールがうまくいかず、授業中も45分間じっとしていられませんでした。障害の子達が通う学級に、兄も入っていました。私は、そんな兄がいることが恥ずかしく、学校で兄に話し掛けられても無視をするようになりました。いっしょにご飯を食べていても、とにかくうるさくて嫌で嫌でたまらなくなってしまいました。
私が中学校に入学したころ、養護学校へ見学へ行く機会がありました。そこの養護学校では、兄のようなADHDのひとたちや、もっと重い病気の人たちがいました。懸命に生活している姿を見た時、私は、とても自分が恥ずかしくなりました。ADHDの兄を嫌がり、なんの助けもしてこなかった自分に、苛立ちすら感じました。
それから私は、兄の日常生活を進んでサポートしました。兄が映画館へ行きたいと言えば、いっしょに映画館へ行き、おしゃべりが止まらない兄を必死に映画に集中させたり、兄が図書館へ行きたいと言えば、図書館の方に事情を説明して、個室を借りたりと、兄がやりたいと思っていて、今までできなかったことをいっしょにやりました。
そうしていくうちに、自分自身も、兄も、家族も笑顔が増えたように思います。一生涯のことですから、全てをサポートするのは難しいです。ただ、はじめから色々なことに逃げず、まわりの方に理解をしてもらいながら、こらからも兄のADHDといっしょに生きていこうと思います。
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