ADHDをカミングアウトしてもらったことで打ち解けました
プロフィール: 美奈子さん、29歳女性、会社員
私の職場に中途採用で入社した4歳年下の女性がいます。とても明るく気がきくので、最初は同僚みんなが好意的でしたし、私も好印象を持っていました。
けれど研修期間が終わって、彼女に仕事を少しずつ任せるようになってから状況が変わってきました。教えた内容をすぐに忘れてしまうし、メモを取っても本人にもどこにメモを取ったのか分からなくなるようです。一つ仕事を指示した後に、もう一つ指示をすると最初に指示した仕事をすっかり忘れてしまいます。
そして注意すると毎度本当に申し訳なさそうに謝るので、叱るこっちが悪いことをしているような気分になってしまうので参っていました。そのような状況が続いたことで、彼女はだんだんと孤立していきました。
私は彼女のその状況は単に仕事ができないというより、何か問題があるのではと思い、色々と調べてみた結果ADHDなのではないかと思いました。
上司に相談したところ、彼女から上司に対してはADHDだと打ち明けられていたようです。ADHDの方が一度にたくさんの事を覚えられないことや、気が散りやすいということが分かれば彼女のことも理解できます。根本はとてもいい子なので、うまく付き合いたいと思っていたのです。
私は上司と彼女と相談し、同僚に彼女の病気について理解してもらうことにしました。受け入れられるかとても心配でしたが、全員ではないですがほとんどの方が理解してくれて彼女が仕事をしやすいように配慮してくれています。
例えば、彼女にやってもらいたい仕事の内容は彼女専用のホワイトボードに書く事になりました。仕事が終わったら、消すことにしていますので、忘れてしまうことはありません。優先順位の高い項目は、上司や周りがチェックをつけてあげるようにしています。
周りも彼女自身も仕事がしやすくなり、持ち前の明るさをすっかり取り戻した彼女は職場のムードメーカーとなっています。
もちろん全ての職場で私たちのようにうまくいくとは限りませんが、彼女がADHDであることが分からなければ今の良い状況はなかったと思います。AHDHによって職場でうまくいかない方は、まずは上司や仲の良い同僚に打ち明けてみるのも一つの方法だと思います。
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