自分と周囲が正しく自覚することが大切です
プロフィール: Mさん、女性、教員
教育現場に携わっていると、しばらく観察していれば、ADHDであろうと思われる青少年に多く出会います。
ADHDというものの特性を知らずに対応していれば、ただの「不真面目で集中力がない人間」と扱ってしまうでしょうが、教育現場でも現在は最低限の知識として、ADHDについて学んでいます。
実際に彼らと接していて実感するのは「本人または家族が症状を自覚していないことが一番まずい」ということです。家族の立場になれば、多少個性的な子だなという程度に考えたいのかもしれませんが、おかしいと感じることがあるのであれば、早い段階できちんとした診断を受けるべきです。もちろん診断の結果、杞憂に終わることもあるでしょう。その場合は、通常通りに指導・対応をすればいいのです。
他の子と比較して、明らかにADHDと思われる特性があるのに、家族がそれを認めなければ本人の生きづらさは変わりません。ADHDという診断が出れば、それはショックだとは思いますが、しかし、その認識でもって対応・指導することができれば、本人自身の失敗や自信喪失も減少するはずなのです。
教育現場の人間から「お子さんの診断を勧めます」とは言えません。しかしスクールカウンセラーであれば、また別の立場からそれを勧めることができますので、該当するような児童生徒がいた場合、スクールカウンセラーに相談するのも一つの手かと思います。
今のご時世、ADHDと診断される人間はたくさんいます。それでも、学校や社会で生きていかなければいけません。本人が生きづらさをなるべく感じないようにするために一番大切なことは、現状を正しく把握して、自分に合った生き方を模索していくことだと思います。
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