個性だと気づいてから姉も家族もハッピーに
30代後半の会社員女性たっきぃ
私には2つ年上の姉がいますが、姉がADHDです。物心ついた時から、姉とお留守番してなさいとか姉に私を見張らせると姉の方がどこかへ行ってしまうので、私の方が追いかけて見守る役目でした。
学校でも始業のチャイムが鳴っても教室へ入らず、好きな先生がいると廊下で待っていたり、授業が変わっても違う教科書を読んでいたりという状態で、周りから見ると変わっているのでいじめられていました。
私は姉と2学年離れているため、1年生の時には姉は3年生にいましたので、入学当初から上級生が見に来ていじめの対象となっていました。
社会人になっても定職にはつけませんでした。好き嫌いがはっきりとしていて、我慢をしたり人と「適度」に合わせたり、具体的ではないことを想像できないので、予期せぬことが起こる「接客」が特に苦手なようでした。
一人暮らしをして経済的な観念や仕事をしないと生きていけないことを覚えてもらおうと、通帳を母が預かり貯金をさせてそのお金で5年前にやっと独立できました。
独立してから1か月で出会い系の詐欺被害に遭い、いきなり貯蓄100万円を使い果たしたうえに100万円の借金を負った時には本当に大変でしたが、専門の弁護士に会い、現金派もどなかったものの借金は解約をしてもらえました。
家は両親と私でローンを払った分譲マンションがあり、両親が今暮らしているので心配はないのですが、職場でもいきなり休んだりお金を間違えたり、躓いて転んで骨折。長期休職をすることになったりとご面倒をおかけしていますが、工場という仕事は姉が初めて自分で選んで決めてきたところなので、一番続いています。
1つのことや単純作業を黙々とやることは姉の適正に合っていると思うのでまだしばらくは働けるとは思いますが、そのうち年齢的に体を壊せば働けない時が来ると思っています。
インターネットの普及で今はその人の個性や特技で稼げる可能性がある時代です。姉は昔から手先が器用で、寝る時間を削ってでも友人にこだわりのクラフトをプレゼントしています。
順番通りであれば私が姉の面倒を見ることになるので、姉の特技を活かしてそれを販売して生計を立てていければと今から準備をしています。
ADHDを抱える患者のご家族の大変さは筆舌に尽くしがたく、大変なご苦労だと思います。私は幸い小さいころから姉はそういうものと思っていたので、ADHDと分かった今でも私は特段変わりません。姉が嫌と言ったら聞かないし、好きと言ったら人の分まで食べてしまう。それが姉です。他人を動かすのではなく、私が彼女に合わせてあげればいいのだと今は思っています。
私より集中力があって、好きな物事や興味のある事にはコツコツと取り組めますし、やめさせようと思ってもやめません。優しいのかなと思ったら時にびっくりするほど空気の読めない発言で周りを凍り付かせてくれます。計画を立てられないので、好きな物や友達のプレゼントにお金をつぎ込んでいつも貧乏です。
これらの特徴が一つでもなければ姉ではありません。全てが姉を構成する個性だと思うと愛おしく思えるようになりました。家族は先にも触れた通り他人には理解しがたい苦労があると思います。でも、それでも!私は「本人が一番苦しんでいる」と思っています。
いつも怒られたり馬鹿にされたり、さげすまれたり。自分の価値を感じられる機会は少ないと思います。そういう症状の一つ一つの奥にある、その人らしさを見て行けば、心地よく接しられる距離感も知れます。どうか、支える皆さんは「悩み」から「その人らしさ」と捉えてみて頂きたいです。
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