ADHDと愛着障害
「愛着障害」という障害をご存知でしょうか。これは、ADHDとは違い、生まれ育った環境により発症してしまう精神的な障害です。この愛着障害はADHDと症状が似ているため、ADHDと間違われることもあります。
ここでは、愛着障害とは何か、ADHDとの違いなどについてご紹介しましょう。
愛着障害とは
愛着障害とは乳幼児のころ(生後6ヶ月〜1歳半くらい)の間に、保護者との愛着をうまく深めることができなかったことにより起こる障害です。
愛着障害のある子供は、衝動的、反抗的、破壊的な行動をするため、その症状はADHDの衝動性の症状と非常によく似ています。
他人との関係をうまく築けないという特徴も、ADHDに共通しています。
愛着障害を持つ方は、人との距離を取りすぎたり、逆に誰彼かまわずべたべたしたりという行動をとりがちです。自己肯定感が低く、自己中心的なところがあるのも、ADHDに似ていると言えます。
その内面で起こっていることは、ADHDとは異なるのですが、症状の出方がADHDと酷似しているため、誤って診断されてしまうこともあるでしょう。
ADHDと愛着障害の違い
それでは、ADHDと愛着障害の違いとは何でしょうか。大きな違いは、ADHDは生まれつきの脳の機能障害であることに対して、愛着障害は、生まれて以降、育った環境の影響で発症する障害だということです。
つまり、ADHDは根本的に治しようがないのですが、愛着障害は、心の問題なので根気よく治療を続けることで、改善することが可能です。
また、ADHDの方の場合は悪気がなく、素直な気持ちで問題行動を起こしているようなケースが多いのですが、愛着障害ではもう少し複雑な精神構造になっています。
ADHDか愛着障害を見分けるためには、乳幼児期の育ち方、そして問題行動の起因となっているものを知る必要があるのです。
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