ADHDのDSM5においての扱い
DSM5というものは聞いたことがあるでしょうか。これは、精神疾患に関する診断基準のマニュアルのことなのですが、ADHDの診断にも用いられます。
ここでは、DSM5がどういったものなのか、ADHDとどう関係があるかなどをご紹介していきましょう。
DSM5とは
DSMは「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」の略で、日本語でいうと「精神障害の診断と統計マニュアル」という意味になりますが、精神障害の分類のために用いられる世界共通の診断マニュアルで、アメリカ精神医学会によって出版された本のことです。
ちなみに、DSM5の「5」とは5版という意味で、2013年に出版されています。DSM?Iは、1952年に出版されたので、半世紀以上の歴史があります。
3版より、診断基準が設けられ、精神科医によって精神障害の診断に差が出るというような問題に対する対策が行われました。この3版が出版されたのが、1980年のことです。
DSM5とADHD
ADHDは生まれつきの脳の機能障害であると考えられているため、「精神障害」という言葉から連想するような疾患とは異なりますが、このDSM5にはADHDに関しても含まれています。
ADHDの診断基準は、このDSM5を基準にしているため、このDSM5を用いているのであれば、世界のどこに行っても、同じ診断結果となるのです。
DSM5におけるADHDの診断基準は、不注意と多動性・衝動性の2つの項目にわかれています。
その項目の症状のうちそれぞれ6つが半年以上持続していて、生活面に悪影響があるというような場合、そして症状が12歳になるまえからあったかどうかなどといったことも診断基準になります。
DSM4までは、この年齢が7歳以前という基準だったのですが、DSM5からは、12歳に引き上げられています。
このDSM5におけるADHDの項目を用いて、医師たちはADHDを診断しているのです。
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