ADHDの遺伝との関係
一般的にADHDには遺伝性原因があると言われています。
ADHDと関わりの深い「ドーパミン」の動きに関すれば、ADHDの人の多くは「ドーパミン受動体」や「ドーパミン再取り込みの働き」に影響を及ぼす遺伝子の型が、通常の人とは異なっているという事が分かっています。
その為、ADHDである人が家系内に居ると、そうではない家系に人と比べてADHDになりやすい遺伝子を持つ可能性があると言われています。
しかし「親がADHDだから自分もADHDなのかもしれない」と言うほど、強い遺伝性はありません。ADHDと関わりがある遺伝子は確かに複数存在していますが、そのすべての遺伝子の型がそっくり受け継がれる訳ではないからです。
ADHDは遺伝と環境が原因の「多因子性疾患」
ADHDを含む発達障害は「多因子性疾患」であると言われています。「多因子性疾患」とは複数の遺伝子によって規定される因子と環境因子の相互作用によって形成される疾患です。
その為、親がADHDに関わる遺伝子的な問題を持っているからといって、必ず子供に遺伝する訳でありません。そこに生活環境の問題が加わることにより、「多因子性疾患」を患うと言われています。
例えば、親の喫煙(子供の受動喫煙も含みます)、親の飲酒、空気汚染、化学物質などの環境ホルモン、出世維持のトラブルや出生時の低体重などが関係すると言われています。
また、ADHDの親に育てられたために、子供のADHDの症状が強くなることもあります。例えば、子供に地道な勉強の習慣を身につけさせなかったり、親が衝動的な生活(片付けられない、仕事を順番立てて行わないなど)をしている姿を子供に見せてしまったりすると、子供のADHDの症状の悪化(またはADHDの発症)を起こしてしまうと言われています。ADHDに関わらず、幼少の頃の記憶というのは大人になっても影響を及ぼす可能性がありますので、子供の事を思うのであれば、問題のある生活スタイルを変える必要があると思います。
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